名市大眼科 研究室だより

TEAM2011 印象記

12月2-4日、東京国際フォーラムでTEAM2011(日本網膜硝子体学会総会、日本眼循環学会、日本糖尿病眼学会総会:3学会合同学会)が開催されました。

今年は日眼(日本眼科学会総会)、臨眼(日本臨床眼科学会)から数えて3度目のフォーラムでの開催、東京駅からの地下道は工事中のまま、しかも1日目、2日目は雨、、、。ARVO(年に1度開催される眼科の大きな国際学会)の抄録締め切りとも重なり、1日目の午前中は欠席。いまいちな気分でのスタートとなったものの、もともと規模の大きくない学会で、なじみの分野、3会場しかないにもかかわらず何を聴こうか迷うほど。活発な意見交換もあり、教室から参加した幾人かが同じ演題を聴いているからあとからも議論が盛り上がる。うーんやっぱり内容だね。

2日目の朝には教室の高瀬先生の学会デビュー。フロアでどきどきしている私の不安をよそに落ち着いて質問にも答えて、メインイベント終了。あとは楽しむのみ!2日目の午後は特別講演ラッシュ。群馬大学岸教授の「岸のポケット」こと後部硝子体皮前ポケット、トリアムシノロンによる硝子体の可視化、光干渉断層計(OCT)全盛となり、いまや誰もが疑うことのないその存在の発見の経緯を聴きながらふとあることを思いだした。学生時代小児科の教授が卒業試験に「瀬木の帽子*とはなにか」って問題出した。ある日の自分の講義プリントの後半半分にそれをのせていて、そっちのほうを一生懸命説明していたらしい(私は記憶ない)。ちゃんと講義を聴いていた学生に対するボーナス問題だったのは間違いが、当然、試験の後に学生の間で話題になるから私のようにその場では聴いていなかった学生の記憶にも残る。きっと「じっくり見て、考えて、探求することのすばらしさ」を伝えたかったんだ(と今更気がつく、、、)。Bird先生の加齢黄斑変性(AMD)病態解明についての講演、おなかいっぱいのところへ、ちょっとした理由でBird先生の横の席で英語の発表ぴかいちシンポジウムを聴くことになり、緊張!すでに私の頭はover flow、バラエティーに飛んだ内容で英語とくるとがついていかない。Bird先生はすべての演題に対し、鋭い指摘をいくつもされ(そのうちいくつかは実際に質問or コメントもされてました)さすがななぁとただただ感動。

3日目最終日、昼に長男熱発**(この時点ではその後の我が家の混乱を予想していなかった)との知らせを受け早めに帰宅。帰りの新幹線で最後の参加となったランチョンセミナーの「AMDみんな頑張って抗VEGF薬注射してます!」との話と、Bird先生の話をぼーっと思いだし、『むかしの眼科医はAMDの病態がわからなくて、苦労してたんだよ、治療も抗VEGF薬ひたすら打ち続けるぐらいしかなくてね。今は「初期の人なら○○でかなりいいところまで持って行けるし、××で何とか維持はできるけどね」いやー昔は毎月注射して大変だっただろうね。』なぁんて、いつかそんな時代がきたらいいなあ。Zzz..

*1935年 瀬木三雄 胎児腸絨毛にある基底顆粒細胞集団の存在とその構造を発表、当時は脚光を浴びなかったが、電子顕微鏡が発達した1980年小林繁により再発表され「瀬木の帽子」としてその存在を知られるようになる。

**診断:マイコプラズマ肺炎 経過:2011年12月9日 現在入院加療中

担当:助教 加藤亜紀
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