名市大眼科 研究室だより

研修会に参加して

6月7日~9日にかけて埼玉県所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンターで開催された視覚障害者用補装具適合判定医師研修会に参加しました。

最近、ロービジョンという言葉を耳にする機会も多いと思いますが、ロービジョンとは良い方の眼の矯正視力が0.5未満と定義されています。現在、全国のロービジョン患者さんは145万人とも言われていますが、そのケアは当事者の生活の質を大きく左右するにも関わらず、これまで医療現場で積極的に取り組まれていませんでした。そのような中、今年4月の診療報酬改定で「ロービジョン検査判断料」が新しく認められることが決定されました。

今回の研修会も、そのような視覚障害者用補装具適合判定に従事する医師の研修を行い、判定技術の向上を図るとともに、医学的リハビリテーションを推進することが目的となっています。そして研修会修了者に対して、修了証書が授与されます。

さて、研修の内容ですが、朝9時から夕方5時まで、講義と実習がみっちり組み込まれていました。学生以来の講義、休憩時間も10分足らず、参加した先生方はみんなヘトヘトになっていました。講義は視覚・社会・教育リハビリテーション、日常生活用具に関するものでした。実習では、白内障のため視力0.1や、中心視野5°の視野狭窄があるゴーグルを装用してロービジョンの擬似体験を行いました。2人1組になって患者さん役と誘導する役の両方を体験しました。誘導の方法もテキストでは学んでいるものの、実際に体験してみることによって、より深く理解することができました。また、ルーペ、弱視眼鏡、遮光眼鏡、拡大読書器、音声パソコンなどの視覚補助具、さらに手軽な便利グッズまで紹介されました。日常臨床のなかで実際に弱視眼鏡や遮光眼鏡を処方したことは数えるくらいでしたが、さまざまな補助具があることを理解し、実際に手にふれ、選定方法を学ぶにつれ、私の外来に来てくださる患者さんの顔が浮かんできました(あの患者さんには、この補助具がいいかも!)。

今回の研修を通して、視覚障害者の方が補装具を利用して現在の視機能を維持できる最善の方法をとるとともに、障害者手帳、障害者年金、医療サービスなどの情報を提供することが重要だと感じました。今後、少しでも質の高いロービジョンケアの実践に取り組んでいきたいと思いつつ、帰宅の途につきました。

担当:助教 佐藤里奈
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