名市大眼科 研究室だより

富士登山

「フジヤマは美しいですね。登ったことがありますか?」と外国の知人によく質問されます。このような日本の代名詞、日本一の山、「富士山」に登ってみたいといつしか思うようになりました。江戸時代から「一度も登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿」という言葉があるように、富士山は遠くから見るに美しいけれど、登山者にはごつごつした岩肌で景観が良いわけでない上、過酷であることは聞いていました。それでも「何事もチャレンジ!」一度も登らぬ馬鹿で人生を終えたくないという思いで、8月15日〜16日に念願の富士登山に挑戦してきました。

今年こそ!という思いがあったので、1〜2週に1回のジム通いだけでは不安で、仕事の合間にもトレーニングをと半年ぐらい前からエレベータを使わないようにしました。これがなかなか大変で、名市大眼科は病棟が10階、医局が別棟の7階で、毎日10階1〜2往復、7階3往復ぐらいの運動ができ、夏場は汗が吹き出すのが難点でしたが、徐々に息も上がらなくなりました。階段を使うと面白い発見があります。階段の愛好家がいて、登山のようにすれ違うと知らない人でも挨拶をすることが多いのです。また同じく階段を使うようになった可愛い後輩達もいます。

さて、いよいよ登山です。医局の後輩の水谷先生、杉谷先生、視能訓練士の渋谷さん、元病棟看護師の古村さんと私の総勢5人で、ツアー会社を通してガイドさん付きのツアーでの参加となりました。登山に慣れている水谷先生をリーダーとして、事前に打ち合わせをして、それぞれ荷物の準備をしました。必需品はザック、登山靴、防寒具、レインコート、ヘッドライトなどです。登山口はもっともポピュラーな山梨県側からの吉田ルートで、朝、名古屋発のバスは川口湖畔から富士スバルラインを通って、昼過ぎに5合目に到着します。家族や医局の皆に心配をかけての登山ですので、目標の登頂を達成するために皆真剣です。行きのバス内では騒がずできるだけ仮眠をとります。午後3時ごろいよいよ出発で、心配していた雨もすぐにやみ、青空も見えてきました。熟練ガイドさんの誘導で、目標の登頂のための最大の問題である高山病対策でゆっくりとゆっくりと登って行きます。(目標を達成するために地道に努力する。)仕事と多くの共通点を感じました。6合目〜7合目にさしかかった頃に渋谷さんの呼吸が荒くなったので、皆で助け合って、ザックの荷物を分配し、水谷先生は僕にストックを貸してくれている上に、渋谷さんのザックも持ってくれました。(助け合いと感謝の気持ちがチームワークを生み、目標へのモチベーションにもつながる。)7合目を越える頃には暗くなって、いつのまにか雲も少なく、眼下には夜景が奇麗です。(努力、苦労は報われる。)富士急ハイランドの花火も線香花火のようで奇麗です。東京のネオンも見えます。空を見上げると天の川に夏の第三角形、カシオペア、東京の方角の地平線にはオリオン、新月直前の三日月が控えめに昇ります。すっと、ペルセウス座方向に流れ星が1つ、そしてまた1つ。(BGMはSEKAI NO OWARIのスターライトパレード♪)もう疲れもどこかに行ってしまいます。8合目に到着。ようやく山小屋休憩と思ったら、山小屋の本8合目はまだ30分登った先、、、(明日のためにノルマより少しだけ頑張ろう。)午後9時過ぎに山小屋に到着。カレーライスをぺろりと食べて、寝袋で仮眠。これが眠れない。。。午前1時半起床。疲労はピークですが、もう一息。高山病の症状である頭痛を自覚する人は参加者の半数ぐらい、10人に1人は登頂を断念する状況。私も頭痛が改善しないが、何とか5人とも出発。目標の登頂まであともう少し。いつ高山病が悪化するかわからないので、緊張感が漂い、皆、言葉少ない。(最終的には自分が頑張るんだ。)9合目を過ぎて、もう少しというところでは、もう来ないかもしれない富士山を一歩ずつ気持ちを込めて踏みしめました。そして、、、無事、5人全員で登頂!全員でというのが大切で、達成感は相乗効果でクライマックス。御来光を待つ1時間は、濃いオレンジ色の朝焼け、眼下に雲海という天空の幻想的空間の中、神秘的なものとなります。ガイドさんが話してくれました。富士山は元々信仰の山。昔から村を代表して御来光を拝みに登山に来ていたのです。。。送り出してくれた医局、家族の代表として、皆それぞれの思いで、御来光にしばし合掌しました。

翌日、少し筋肉痛で外来の患者さんも多く大変でしたが、好天に恵まれた富士登山の後では、一人一人の患者さんを、富士山を大事に踏みしめた気持ちと同じく大切に診ることができました。地道な努力、苦労は何かの目標のために自分に帰ってくると思います。苦労すればするほどにまた素晴らしい経験が近い未来に待っていると思えるようになりました。毎年、医局の前途と患者さんの眼の健康、そして、チームワーク向上を願って、医局の先生とコメディカルの方の中から熱意と体力のある有志を代表として富士参拝を行事にできるといいなと個人的に思いました。。。水谷先生とは、すでに、二度登る馬鹿になれそうだと話しています。

[河口湖畔からの富士山(芦苅先生が当日撮影)と富士山から望む河口湖(水谷先生撮影)]

[御来光を背に富士登頂を喜ぶ5人]

担当:准教授 安川 力
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