名市大眼科 研究室だより

第117回日本眼科学会総会印象記

2013年4月4-7日、東京国際フォーラムにて第117回日本眼科学会総会(日眼)が開催されました。研修医の頃(10年ほど前)は基礎研究の発表が日眼、臨床研究の発表が臨床眼科学会(臨眼)といわれておりました。私は、昨年秋の海外発表と同じ演題でしたが大学赴任が4月1日から、学会発表が4月4日であったため多少なりとも心身ともにまだ混乱しておりました。しかし、桜の咲く春の東京学会、楽しみにしておりました。

午前中、ポスター内容を要約したスライドにて3分のプレゼンした後は緊張も解け、ほっと一息つけました。そして今回学会の演題を聴いて思ったのが、案外と臨床寄りの研究発表が多いな、という印象でした。私が研修医の頃から学会も変わってきたのかもしれません。

夕方からの質問を受け付けるためにポスターの前に立っていると、5分くらいじっと私のポスターを読んでくれている先生がいらっしゃいます。勇気を出して「何かご質問はございますか?」と尋ねたところ、いくつか質問していただけました。不勉強ゆえ答えられないこともありましたが、声をかけてみて良かった、勉強になったと思いました。

学会初日であったにもかかわらず、当教室からの演題発表はすべて終わったとのことで、夜の新橋の焼鳥屋では西部医療センターの平野先生もいらっしゃっておおいに盛り上がりました。

今回の学会での指名講演のテーマは「眼疾患と遺伝子」です。学会に行く前に先輩の先生から吉田茂生先生の講演は今学会の目玉であると聞かされていました。タイトルは「ゲノム医学的アプローチによる増殖性網膜硝子体疾患の責任遺伝子同定と治療への展開」。一見専門的な難しい内容も、順序立てて分かり易く御講演くださったのでよく理解することができました。講演内容の素晴らしさも感動しましたが、さらに感動したのは、現在の豊かな日本の環境は先人より受け継いだものであり、このままでは衰退していくのであれば私たちの世代が仕事をして、日本発の技術、知的リソースを創出しなければならない。そして子どもたちの世代につなげたい、とお話しされたことでした。研究のみならず、社会的貢献についてもBig Pictureをもたれている姿に胸が熱くなりました。私が言うのも大変恐縮なのですが、科学的センス、頭の良さ、真摯な真面目さが御本人が講演されているだけで立ち現われてしまう天才性を強く感じました。聴いておいて非常によかったです。

またその前に御講演された緑内障のゲノム解析を行ってらっしゃる布施先生も、遺伝子解析を聞かれた患者さんが決して不幸になってはいけない、幸せになっていただけるような研究を結実させたいとおっしゃっており、強く印象に残っています。

私たちの前にはとても偉大な先輩がたがいらっしゃって、そのおかげで診療ができているのだと思いました。そしてそのことを励みに頑張りたいと思った学会でした。

このような機会を与えてくださった小椋教授、とても雑な下書きを直してくださった野崎先生、前日遅くまでポスター印刷を手伝ってくださった医局長の加藤先生、送り出して頂いた教室の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。


第117回日本眼科学会総会にて

担当:助教 藤野 晋平
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