名市大眼科 研究室だより

厚生労働省難治性疾患克服研究事業 網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班 班会議開かれる

例年、医局旅行の話題を取り上げて来ましたが、今年の旅行はこの原稿の締め切りより後に開催ということになりましたので、今回は話題を変え、名古屋市大を中心に行われている厚生労働省難治性疾患克服研究事業について書かせて頂きます。

難治性疾患克服研究事業とは、原因不明で治療方法も未確立であり、かつ、生活面で長期にわたる支障がある疾患について、研究班を設置し、原因の究明、治療方法の確立に向けた研究を行うものです。現在130疾患を対象にこの事業が行われていますが、視覚分野では、網膜脈絡膜・視神経萎縮症が唯一の対象疾患になっています。

ご存知の先生もいらっしゃるかもしれませんが、平成20年度から、網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班の班長に、小椋祐一郎教授が任命されました。毎年1月に全国の班員の施設の先生がたに名古屋に集まっていただき、研究会(通称班会議)を開いています。班員の施設は、南から鹿児島大、九州大、香川大、関西医大、神戸大、京都大、理研、滋賀医大、名古屋大、順天堂大、日本大、筑波大、千葉大で、2日間に約60近い演題の発表がある中身の濃い会議です。

小椋教授の前は九州大学の石橋達郎教授が班長でしたので、『毎年1月に福岡に行く』ことができ、それはそれで勉強になる会議でした。発表するだけで良かった当時と違い、班会議を準備する側になってみると色々大変なこともありますが、大学院やレジデントの若い先生達にとっても、『居ながらにして、レベルの高い、内容の濃い発表を聞くことが出来る』絶好の機会となり、とても良かったのではないかと思います。

今年度の班会議は、1月21日、22日に開催され、初日から、熱い、しかし和気あいあいとした雰囲気で各施設の先生がたの講演、ディスカッションが繰り広げられました。演題は、視細胞移植、網膜血管新生、脈絡膜血管新生といった基礎研究から、わが国における視覚障害の原因や、ルセンティス、光線力学療法といった臨床研究、さらに新しいOCTや、網膜色素変性症に関連する新しい治療といった夢のある話など多岐に渡りました。

また、班会議を開催し始めた平成20年度当初から、小椋教授の発案で会費制のささやかな懇親会を初日の夜に開いており、事前に、試食会やコストパフォーマンスの高いワインを選んだり、会議室にテーブルクロスをかけたり医局員総出で準備をしています。懇親会は学会と違い、気軽な雰囲気の中で他大学の先生方と話が出来る貴重な機会になっていると思います。レジデントの先生達には寒い中、荷物番をしてもらい、そのため体調を崩した先生も居ましたが、網膜硝子体分野のスター選手ともいうべき教授達を間近にできる機会はなかなかありませんので、レジデントの先生達にとっても、”励み”になったことと思います。

今年は1月中旬に小椋教授から、レジデントの5人の先生達に、4月からの赴任先病院が言い渡されました。彼らが市大病院で働くのも、あと少しです。彼らの今後の活躍に期待するとともに、来年度入局してくれる新しい先生達との新しいスタートにも期待している今年度末となりました。末筆になりましたが、愛知県眼科医会の先生がたには、これからもご指導、ご厚情賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 

網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班 班会議にて

網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班 班会議にて

[愛知県眼科医会会報3月号掲載から抜粋]

担当:野崎 実穂
カテゴリー: ブログ記事