名市大眼科 研究室だより

医局だより~名古屋市立大学眼科学教室「学会月間」~

まず始めに、東日本大震災により被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

平成23年度になり、名古屋市立大学眼科学教室は、3年目シニアレジデント2名を迎えました。例年より少ない人数ですが、2名で力をあわせて、毎日朝早くから夜遅くまで外来・病棟・オペ室で頑張っています。また、今年度は眼科研修を比較的長期間選択してくれる2年目研修医の先生たちが多く、これが来年の入局につながることを医局員一同で祈っています。

さて、今年の5月はゴールデンウィーク中にアメリカ・フロリダ州のフォートローダーデールでAssociation for Research in Vision and Ophthalmology (ARVO)の年次総会が開催され、その1週間後に東京で日本眼科学会総会が開催されるという学会月間となりました。名市大からは、今年度ARVOに計10演題を出し、過去の記録を塗り替え、昨年入局したシニアレジデント4名を含む総勢12名が参加しました。大学院生の伊藤祐也先生(木沢記念病院)、植田次郎先生(西部医療センター)2名が、ARVO travel grantをとり、幸先の良いスタートでしたが、10演題もあると、さすがに指導側はやや疲れました。10演題のうち、5演題にARVOからe-Posterでも発表、というメールが来て、そのうち一つの演題(ルセンティスの投与スケジュールに関するもの)が、なんとtop 5 viewed posterの第2位になっており、ARVO会期終了後には、第1位になるという快挙を成し遂げました。(この原稿を書きながら、再度チェックしましたが、1位をキープしています)ちょうどARVO直前に発表されたルセンティスとアバスチンの比較をしたCATT studyの結果と重なる部分があり、注目を集めたものと思われますが、『世界中で一番閲覧されている』と思うと感慨深いものがあります(決して医局員総出で、クリックし続けたのではありません・・)。また、PASCAL®と通常凝固の比較をした基礎実験がHot Topicsに選出されました。一方、日本眼科学会には2演題のうち、大学院生の水谷武史先生の演題が日眼News Letterの取材をうけ、掲載されました。日本眼科学会は震災の影響で開催されるかどうか懸念されていましたが、無事開催され、盛況で終わったのは何よりでした。

日本眼科学会ではキャンセルされた招待講演のかわりに、緊急パネルディスカッションとして震災の被害にあわれた各大学の先生がたが、現場の状況をお話してくださいましたが、生々しいスライドをみて、言葉を失いました。東北大の布施先生が、地震後の医局、実験室や外来の写真を提示されていましたが、大きな本棚が倒れた写真があり『ちょうど3分前まで医局員がここに座っていましたが、地震のときは幸い誰もおりませんでした』という写真が目に焼き付きました。私の座っている医局長席の真後ろに大きな本棚があり、本や雑誌が積み込まれているので、時々不安を感じていました。今回ARVOで東北大の中澤徹先生にお会いした時に、実験動物のため医局員が交代でペットボトルに水をつめて、停電、断水の中、9階まで階段でのぼり、水を与えたというお話や、冷凍庫、冷蔵庫に入っていた実験のサンプルや抗体もすべて駄目になってしまったというお話、『準備を絶対にしておくべき』という実感のこもるお言葉をお聞きして、名市大医局としても対策を練らないと、と緊急的プロジェクトとして地震対策に取り組んでいます。

平成23年日本眼科学会にて

担当:野崎 実穂
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