先輩からの声 Vol.024

Vol.024「第17回眼科分子生物学研究会 参加報告」

文責
臨床研究医 臼井 英晶
所属
名古屋市立大学病院眼科
掲載日
2013年5月1日

平成20年に名古屋市立大学を卒業し、今年4月より名古屋市立大学病院に臨床研究医として勤務している臼井英晶と申します。

今回、第17回眼科分子生物学研究会に参加する機会を得ましたので報告させて頂きます。

この会では、眼領域において、基礎から臨床までの分子生物学研究の成果が発表されます。今年の会場は、静岡県の海に面したホテルで2日間に渡って開催されました。

近年、分子生物学は生物学の中でも大きく進歩している分野であり、遺伝子を対象とする学問です。iPS細胞など、日々のニュースで目にすることも多いのではないでしょうか。眼科疾患においても、未だ、多くの疾患の原因や病態機序が不明であり、この分子生物学を用いてこれらを解明し、診断法や治療法を開発することが期待されています。

今回の研究会でも、全国の大学・病院・研究機関から研究者が集まり、名古屋市立大学からは加藤亜紀先生が「培養網膜色素上皮細胞からの新しい上皮シート作成方法」という演題で講演されました。網膜色素上皮とは、網膜の中でも外層に位置する組織で、その萎縮は、日本の失明原因において大きな割合を占める、加齢黄斑変性症の発症・進行などに強く関わっていると考えられています。そして、培養した網膜色素上皮シートを眼に移植することで、このような疾患の治療につながることが期待されています。講演では、この網膜色素上皮シートの新たな作成方法が発表され、活発な質疑応答がされていました。

2日間の日程中には、理解しやすい内容の発表から、非常に難解な発表まで、数多くの講演が行われました。

特別講演では、理化学研究所のPiero Carninci博士から、分子生物学のこれまでの流れと、将来の発展の方向性に関する講演があり、依然、未知の分野の広大さと可能性の大きさに印象を受けました。また、特別講演はスピードの速い英語で行われ、世界を視野に入れた研究での、英語の重要性を改めて実感しました。

このような内容の濃い講演が続いたことで、1日が終わる頃には、すっかり疲れきってしまいました。

講演プログラム終了後は、疲れた頭を癒すため、会場のホテル内にある温泉に行きました。太平洋を望む露天風呂の眺望は素晴らしく、すっかりオーバーヒートしてしまった頭をクールダウンさせるには最高のロケーションでした。

第17回眼科分子生物学研究会

夜の懇親会では、宴会場で、静岡県の海の幸を堪能しつつ、他大学の先生と交流したり、ビンゴゲームを楽しんだりと、リラックスしたムードの中で楽しむ事ができました。また、この研究会では、敢えて同世代の他大学の先生方と同室になるよう部屋割りがされており、懇親会後、部屋に戻った後も、夜遅くまで会話が途切れることがありませんでした。日ごろ、なかなか、同世代の他大学の先生と交流する機会はないので、それぞれ、どのような研究をしているのか、どのように仕事を進めているのかなどの情報を交換できたことは、日中の講演にも負けない非常に有意義な体験となりました。

今回の研究会参加時は、大学を離れ、市中病院で勤務していたため、毎日の診療をこなすのに忙しく、研究まで考えることがありませんでした。しかし、同世代の先生方が発表されている姿を見て、自分も早く発表出来るよう、これまで以上に頑張らなければと、4月に大学勤務に戻ってからのモチベーションへの良い刺激となりました。このような機会を下さいました小椋教授をはじめ、参加に誘ってくださった安川力准教授、加藤亜紀助教、眼科医局に感謝致します。

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