先輩からの声 Vol.025

Vol.025「ARVO 2013 印象記」

文責
助教 平原修一郎
所属
名古屋市立大学病院眼科
掲載日
2013年6月4日

この度、2013年5月5日から5月9日にかけて、米国シアトルにて開催されましたThe Association for Research in Vision and Ophthalmology(通称ARVO) 2013に参加してきましたので報告いたします。

ARVOは世界最大規模の眼科の国際学会で、1995年に開催地がフロリダのフォート・ローダーデールに移り、昨年の2012年までの18年間にわたり、毎年フォート・ローダーデールで開催され、『ARVO = フロリダ』のイメージが自分にはありました。ところが今年からは、そのフォート・ローダーデールに別れを告げて、開催地をアメリカ国内で毎年変えていくこととなりました。まず今年の開催地がシアトルということで、いろいろ周りから情報を集めていくこととなりましたが、あまりトランジット以外で訪れたことのない地域で、「イチローはもういないんだよね」、「すごく寒いらしいよ」、「二日に一回は雨が降るらしいよ」とややネガティブなご意見を拝聴しつつ、シアトルへと旅立ちました。

シアトルに到着し、寒いという前情報の中、しっかりとセーターを着こんで機内から出ると、暑い! ここはフロリダですか?と思うほど燦々とした太陽の陽気に包まれた町に降り立ちました。ニュースによるとどうやらシアトル以外は寒波や、嵐などがアメリカで猛威をふるっていたようで、シアトルだけ、ぽつんと晴れて例年にないほど暖かい気候に包まれた一週間となっていたようです。

学会はダウンタウンの真ん中にあるコンベンションセンターで開かれ、2012年に眼科に入局した富安胤太先生と鈴木識裕先生の発表の指導医という立場で今回の学会には参加させていただきました。二人の発表はそれぞれ、Optos(オプトス)という、今までの眼底カメラでは撮影することが非常に困難だった眼底の最周辺部までを撮影することのできる器械を使った糖尿病網膜症と網膜静脈閉塞症の蛍光眼底造影検査の臨床統計データの報告でした。Optosは2011年5月に当院に導入された走査型レーザー検眼鏡で、わずか0.25秒の撮影時間で眼底の80%の200度の範囲で眼底撮影が可能で、蛍光眼底造影も撮影が可能です。Optosは従来の眼底カメラでは撮影することができなかったような周辺部網膜の微小循環の変化を詳細に評価することが可能で、今回二人のシニアレジデントの先生の発表テーマとなりました、糖尿病網膜症や静脈閉塞症などの疾患において周辺部の網膜無灌流域や新生血管の正確な評価をすることができ、日々の外来で最早手放すことができないほど、非常に頼りにしています。

今回は3人のシニアレジデントの先生が発表をしました。富安先生と鈴木先生がポスター発表で、小椋俊太郎先生はなんと一般口演の発表をこなし、それぞれ堂々と英語の質問に対して答えていて、実に頼もしい限りでした。富安先生と小椋先生は眼科2年目にしてすでに2回目の国際学会の発表で、今後も積極的に学会活動に参加していくことを願っています。

そのほか当院からは、小椋教授が抗VEGF薬を中心静脈閉塞症の黄斑浮腫に対して硝子体内投与をする世界規模の治験結果の中間報告されておられ、野崎講師は、PASCAL(パスカル)というパターンスキャンレーザーを用いた、緑内障患者に対するLaser Trabeculoplastyの結果報告をされていました。

私はといいますと、シアトルの思い出に、スタバ第一号店限定のマグカップだけは、しっかりとお土産として確保して帰って参りました。次回シアトルに戻るのは2016年。また戻るのが楽しみです。

このような貴重な機会を与えてくださいました小椋教授をはじめ、ご指導くださいました医局の先生方へ、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


コンベンションセンターにて医局員一同
左から鈴木先生、富安先生、小椋教授、小椋(俊太郎)先生、野崎先生、安川先生、筆者


小椋教授を囲んで名市大眼科教室一同で食事会をしたときのものです
(残念ながら野崎先生はご都合があわず、欠席されています)。毎年フォート・ローダーデールではRUSTIC INNという、木槌で蟹の殻を割って食べるという一風かわったお店で名市大の食事会をしていました。今回我々が訪れた店も、ゆでたての新鮮な海鮮を机の上にドサっとぶちまけて、同じように木槌でたべるという豪快な店で、味もあっさり塩茹でで、大変おいしくいただきました。

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