先輩からの声 Vol.028

Vol.028「第30回日本眼循環学会」

文責
助教 藤野 晋平
所属
名古屋市立大学病院眼科
掲載日
2013年9月2日

2013年7月19日、20日と東京コンファレンスセンター・品川で第30回日本眼循環学会が開催されました。今回私たちが出した演題は「難治性滲出型加齢黄斑変性に対するアフリベルセプトの使用経験」でした。口演で提出したのですが、あまりにも類似した演題が多いとのことで、このテーマのミニシンポジウムを急遽開催することになったそうです。いままでは加齢黄斑変性に対する抗VEGF薬というのは保険適応内ではマクジェン、ルセンティスとあったのですが、2012年12月からアイリーアも認可されました。やはり診療をしていると既存の薬剤では治療抵抗例も少なからず存在します。そのことに対する興味というのは皆さん同じとみえて、また新しい薬に対しての期待もあったのでこのテーマに多くの演題が集中したのだと思われます。

さて、しかしシンポジウムで発言など考えもしなかったので、胸の辺りがざわざわとなり緊張しましたが、オーガナイザーの高橋先生と白木先生が事前に質問リストを配布してくださいましたので安川先生や加藤先生と相談してあらかじめの答えを用意することができました。

当日、初日の午前中のシンポジウムであったのでそんなに多くの先生方の参加は予想しておりませんでしたが、会場は9割方埋まっていました。そして第一演題目の発表が終わり、質問となったところで間髪を入れずに当教室の小椋教授が鋭い質問を演者の先生にしました。会場の空気がぴりっとしてその後の流れがここでできたように感じました。学会に参加する前、眼循環学会は若手の先生が多い会だと聞かされていましたが、こういう洗礼を受け、学術発表は批評に耐えうるもの以外は淘汰されていくのだと感じました。それがScienceであるということだと皮膚感覚で感じました。

その後もこの流れは変わらずとても活発な討議が各演題で繰り広げられました。約一時間経ってもこの熱気は変わらず、時間は押しつつもそのまま出席するシンポジウムへとなだれこみました。発表はとても内容を詰め込んでいましたし、オーガナイザーの先生からは時間が足りないので手短に発表を、ということで早口で行い自分でもどんな発表ができたのか覚えておりません。シンポジウムに参加して思ったのですが、いろんな大学の発表をほとんど同じテーマでしゃべると各々の教室のカラーが出てくるのだと感じました。そろそろシンポジウムも終わりに近づいた頃、当教室の安川先生が座長に提案しました。内容としては抗VEGF薬の導入期治療についてだったのですが、その問題提起の視野としては、日本国民が負担する医療費が海外企業に多額に流出している問題、「企業の推奨する十分量投与vs.医師が見極める必要量投与」から導かれる医療の主導権は医師が採るという問題などを射程範囲におさめているように思われました。歯に衣着せぬ提案に会場はわざつきましたが、僕自身はかっこいい!としびれていました。

同日ですが、野崎先生がランチョンセミナーとシンポジウム「眼循環評価のCutting Edge」において一日で二つの講演をしました。準備がとても大変であったことは想像に難くありません。これまた僕はすごいなぁと感じ入っていました。

今回は先輩がたがかっこよかった学会、という印象でした。明日からの診療に気が引き締まる思いです。

最後に出張に伴い外来や担当患者さんを引き継いでくださった先生方、手直しを快くしてくださいました安川先生、加藤先生にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

[先輩からの声 TOPへ戻る]