先輩からの声 Vol.044

Vol.044「EVER2014 学会印象記」

文責
大曽根 大典
所属
大学院生
掲載日
2014年11月4日

 「いかん、準備に手間取った!!」私は小型トランクから響く忌々しい音とともに疾走していた。非情にも階下でドアが閉まる音・・。セントレア行き特急列車は滑らかに進みだしていく・・。「だめだったか・・。」JR中央線を一本逃したのが致命傷だったか。なにせ家の最寄り駅は普通列車以外止まらないので一本の遅れがかなりの損失になる。空港でかなりバタバタ走り回ることになることは必須だろう。その後現れた急行で空港に向かう。幸先の悪いスタートだ。人生初のヨーロッパ上陸のときが目先に迫っているのに。セントレアに急ぎなだれ込む。電光掲示板の周りに人だかりが眼に入る。「ん?」・・・・・・・・・・
「ルフトハンザ:フランクフルト行き ストライキの為欠航」!!!!!なんてこった!
頭が真っ白になる私。しばらくすると誰かが自分を呼んでいる・・?
研究チームのリーダーである野崎先生の声だった。「大曽根君、遅―い! これから羽田に行かなきゃ行けないのに。」
は・ね・だ??何故羽田?
「ルフトハンザは羽田以外のフランクフルト便は全部欠航だって。」
こうして波乱万丈のEVER2014への旅が幕を開けた。

European Association for Vision and Eye Research 、これがEVERの正式名称。私の人生初のヨーロッパ上陸は大丈夫だろうか?次回に続く、乞うご期待・・・・・・・・・・・
と言いたいところであったが、旅慣れた野崎先生にコバンザメのようにくっついていた為かフランクフルトでの乗り換えも問題なく、現地時間で日にちが変わるころに無事にニース入りを果たしたのだった。

チェックイン後自室のベッドに入り死んだように眠りを貪る。気がつけば地中海より朝日が昇っていた。

学会場に行くため野崎先生について街に出た。街は美しい!夜にはわからなかったが、趣があり目の前にアートが広がっている。心躍る感覚が全身を貫く。見るものがみな珍しかった。
海岸沿いを歩く。「こんにちは、地中海」。海の青さが違う。真夏であれば飛び込んで泳いでもおかしくないくらいだ。まぶしいばかりの太陽。アルベール・カミュの「異邦人」での「太陽が眩しかったから」・・その太陽が目の前にある。妄想はやむことなく気分はジタンを咥えた文豪の気分になっていた。

学会場はアクロポリスという建造物にあった。ギリシャ風?の名前とは裏腹に鄙びた会議場という感じではあるが・・。学会場に入り講演を聴く。全部英語だからどこまでわかっているかは自分でもわからない。だがなんとなくニュアンスは理解したのだろう。気がつけば無意識に首を縦に振りながら聞いている。良い兆候かもしれない。ランチョンセミナーではフランスパンを丸ごと使ったサンドウィッチが出た。ボリュームが半端じゃない。この国の食事はボリュームがすごいが皆大食いなのだろうか・・。
朝食以外はおおかた市街地で食事を取ったが屋台のような店やオープンカフェ風の店があり様々な料理を扱っている。地元料理もトライしたが・・・味は想像にお任せする。

学会場←→ホテル←→市街地と繰り返し、とうとうポスター発表の日を迎えた。英語がちゃんと通じるだろうか?ポスターを貼り待っている時間の長く感じること!離れたところを見ると野崎先生の姿が・・私の英語能力のあまりの欠如っぷりに心配してスタンバイして下さっていたとのこと・・「ありがとうございます!」。・・・・・・・・・・・・・・・・・
プレゼンテーションタイムは始ったものの、「誰も来ない、何故だ?」 実は私のポスター展示場所はかなり奥まった場所にあり、かつ周囲の数件の発表がポスターはあれど人はいない状態。発表の座長の先生が来てくださった以外はお寒い状態・・。と思っていると後半で足を止めて質問してくれる人がぽつぽつ現れた。へたくそな英語で必死に答える私・・そうか、これを求めて頑張って発表を考えていたのか。質問を受けながら心の中にじんわり来るものがこみ上げてくるのがわかった。

時は早いものでニースを離れる日が来た。名残惜しいところだがここは笑顔でバイバイ。次くるときは一回り大きくなっているつもりだ。あと、英語も鍛えなくちゃね・・。空港に乗り込んだら・・・・

「台風でルフトハンザ・中部国際空港行きが8時間遅れ!」ええっ?!

「またぁ?大曽根君お祓いに行ったほうがいいんじゃない?」

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