先輩からの声 Vol.070

Vol.070「APVRS 2016 in バンコク 印象記」

文責
鈴木 識裕
所属
大学院生
掲載日
2017年2月2日

この度、2016年12月8-10日にバンコクで開催された第10回APVRS(アジア・太平洋網膜硝子体学会)に参加させていただきました。

今回、私は『Retinal hemodynamics evaluated by optical coherence tomography angiography before and after anti-vascular endothelial growth factor therapy in retinal vein occlusion』という内容でポスター発表をしました。OCTアンギオグラフィーを用いて、黄斑浮腫を伴う網膜静脈閉塞症における抗VEGF薬治療前後の黄斑の循環を比較検討した内容です。結果は、黄斑浮腫を伴う網膜静脈閉塞症において、抗VEGF薬治療の経過とともに黄斑の循環が改善することが示唆されるというものでした。

今回、初めてAPVRSに参加させていただきました。APVRSでは、近年の抗VEGF薬の台頭により、日本の学会発表では最近あまりみかけない網膜疾患に対するステロイドテノン嚢下注射やステロイド硝子体内インプラントの有用性についての発表が多かった印象でした。その中でも、『Efficacy and safety of simultaneous dexamethasone intravitreal implant and bevacizumab compared with bevacizumab monotherapy for branch retinal vein occlusion』というポスター発表があり、網膜静脈分枝閉塞症において抗VEGF薬単独治療よりもステロイド硝子体内インプラントを併用するほうが、視力改善効果があったとの報告でした。

糖尿病黄斑浮腫では、抗VEGF薬と異なる作用機序のステロイドテノン嚢下注射や硝子体内注射を併用することで黄斑浮腫を改善することができるという報告は聞いたことがありましたが、網膜分枝閉塞症でもステロイド併用によるさらなる効果が期待できることは興味深い内容でした。日本ではステロイド硝子体内インプラントは保険適応にはなっていないため、使用できませんが、抗VEGF薬投与と同時にステロイドテノン嚢下注射を併用することはできます。白内障や続発性緑内障のリスクがあるため、症例は選ばないといけないと思いますが。

さて、学術的な話はここまでにして、今回、私は初めてバンコクに行きましたが、バンコクはタイ国王が崩御されたばかりで、国民の方々は喪服で国中が喪中の雰囲気でした。しかし、屋台などの営業は通常通りで、行く前から楽しみにしていたプーパッポン・カリー(蟹の卵とじカレー)を食すことができました。凄くおいしかったです。また、バンコク市内には、マッサージ店が数多く立ち並んでおり、学会の合間に疲れた体を癒すこともでき、タイを満喫することができました。

最後に、学会発表に際しご指導を賜りました小椋教授、吉田臨床教授、平野先生を始め、医局の諸先生方に厚くお礼申し上げます。

来年のAPVRSにも参加できる機会がいただけるように頑張ります。

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