視覚科学ラボ -研究室だより Vol.014-

【研究室だより】「学位審査を終えて」

文責
長谷川典生 (病院助教)
掲載日
2017年4月4日

この度、2017年2月の学位審査を経て、医学博士の学位を取得させて頂きました。ご指導下さいました小椋教授、野崎講師をはじめ、お世話になりました実験助手の方や医局の先生方に心より感謝申し上げます。
ここでは私の大学院生生活を振り返らせていただきたいと思います。

大学院に入ることを決めたのは眼科入局2年目のことでした。あまり立派な動機があったわけではなく、興味本位のやや軽めの気持ちで入学を決めたように思います。大学院1年生の時は、豊田市の関連病院に勤務しておりましたので、大学院の単位を取得するために、勤務終了後に大学に来て講義を受けるという生活をしておりました。仕事の後の講義は睡魔との戦いでした…。

本格的に大学院生としての研究活動を開始したのは、翌年、2年生になり臨床研究医として名市大病院に戻ってきたときからでした。野崎講師のご指導の下、「糖尿病黄斑浮腫に対する網膜閾値下レーザー治療の奏功機序の解明」というテーマで動物を用いた基礎研究に取り掛かりました。マウスの眼球において、網膜にレーザーを照射し、摘出した眼球のタンパク成分や発現しているRNAの解析、組織の免疫染色などをするのですが、まずそれらの実験手技に慣れて、安定した結果を出せるようになるまでに大変苦労しました。そんな中で、ある程度の結果が得られたため、2016年に国際学会であるARVOにおいて研究の途中経過を『Response of the retinal pigment epithelium to subthreshold laser photocoagulation in mice』というタイトルで ポスター発表する機会をいただきました。

また並行して、OCT angiographyという検査機器を用いた糖尿病黄斑浮腫の病態についての臨床研究もしておりました。OCT angiographyは、非侵襲的に網脈絡膜の血管構造を3次元解析できるという、日本ではここ数年で臨床使用が普及し始めたばかりの新しい検査機器で、現在この装置を用いて網脈絡膜疾患の病態解明に迫るような論文が多数出てきております。私の研究は、糖尿病黄斑浮腫と網膜内毛細血管瘤の関連についてのもので、OCT angiographyを活用した糖尿病黄斑浮腫治療への展望を示した内容でしたが、こちらの結果をまとめた論文がありがたいことにIOVS (Investigative Ophthalmology & Visual Science)に掲載され、私の学位論文となりました。

大学院4年間で学んだこと、身に付けたことを、今後の眼科医としての人生に活かしていきたいと思っています。

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