視覚科学ラボ -研究室だより Vol.005-

【研究室だより】「大学院生活を終えて」

文責
佐藤 里奈
所属
名古屋市立大学病院眼科
掲載日
2013年7月1日

スーパーローテイト研修を終えて、医師3年目より眼科医としての生活が始まりました。学生時代から進路は眼科と決めていたため、待ちに待ったその日がやってきました。まずは、外来や病棟での診療、手術に関する眼科医のいろはを学びました。

そして4年目(眼科医2年目)の秋に「来年度から大学院へ入り研究をしてみないか」と小椋教授からお話しをいただきました。当時、オーベンであった安川准教授が研究をされているのを見ており、身近に感じていたので、大変そうだけど何だか楽しそうだな、という安易な(?) 気持ちで大学院へ進むことになりました。

安川先生のグループの主な研究テーマの一つに加齢黄斑変性の病態解明があります。加齢黄斑変性を理解するにあたり、重要なものの一つにドルーゼンがあります。また、アミロイドβはアルツハイマー病の老人斑でも認められ、病態への関与が示唆されていますが、ドルーゼン内にも存在することが示唆されています。そこで、私に与えられた研究テーマはリポ蛋白産生機能とアミロイドβの関連というものでした。

安川先生がドイツ留学時代から研究されている網膜色素上皮細胞の三次元培養システムをベースとして、いざ研究が始まりました。私の研究で行う主な手技は細胞培養、免疫染色、ウエスタンブロットでした。学生時代、生化学の授業であったような…という程度の記憶しかないので、ゼロからのスタートでした。

実験を行うにあたり、必要な試薬をそろえ、濃度を決定するなどプロセスをすべて自ら決めていくのはとても大変なことと実感しました。さらに、手技もままならないので、思うように実験が進まず失敗の連続でした。しかし、ご指導いただき、何度も実験を繰り返すうちに少しずつ結果が出てくると、とてもうれしいものでした。

そして、疾患に関係する、ほとんどのタンパク質は検出できましたが、分子量の小さいアミロイドβは、ウエスタンブロットではなかなかバンドが出ず、ELISAでも検出下限以下…と苦戦しました。その度に、安川先生や同じグループで研究をされている加藤先生から助言をいただき、細胞濃度を高くしたり、試薬やゲルを工夫してみたりして何とか結果をだすことが出来ました。

大学院生活の最終かつ最大の目標は、もちろん学位取得です。論文がアクセプトされ、学位審査を終えるまでの道のりは長く、諦めそうになる時もありましたが、無事取得できた時は感慨無量でした。さらに、学位取得に至るまでには、研究結果を学会で発表したり、同じ研究をしている国内外の先生方と知り合い、討論することができたり、多くの経験をすることが出来ました。これを糧として、一層努力していきたいと思います。

改めて、小椋教授、安川先生、加藤先生をはじめとする医局の先生方にお礼申し上げます。

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