視覚科学ラボ -研究室だより Vol.007-

【研究室だより】「第18回 眼科分子生物研究会に参加して」

文責
大曽根 大典
所属
名古屋市立大学病院眼科
掲載日
2014年4月1日

この度平成26年2月25日~26日に長崎市で行われました第18回眼科分子生物研究会に参加させていただきましたので、駄文ながら見聞記を投稿させて頂きます。

1 棚からカステラ

厚生労働班会議の発表も無事終了した1月下旬、(研究の指導医である野崎先生のお手を煩わすこと数度ならず、できの悪い院生の私の発表は毎度上司、先輩の先生方に多大なるご迷惑をおかけしている・・。)研究の指導医である野崎先生と医局長の加藤先生より「長崎で勉強会があるけど・・行きたい?」とのお言葉。そりゃあ行きたいです、行かせてください。かばん持ちでも何でもしますので!・・とお話が転がり込んできて長崎行きは急に決定!。聞いてみると何やらすごい専門的、ともすればマニアックな発表が多く、質問や討論がすごくハイレベルとのこと。これこそ熊や虎の戦いにネズミが紛れ込むようなことか・・!(あ、ネズミは実験でお世話になっているいい動物ですよ。)
とりあえず長崎を地図で見てみる・・と、遠い、すごく遠い。どうやって行こうか。まさかヒッチハイクはしないよなー。
野崎先生:「朝早いけど飛行機がセントレアから出ているよ。」
加藤先生:「それがいいと思うよ。」
・・・・・・・飛行機乗るのが怖いとはとても言い出せない情けない私。まさか「鉄の塊が空を飛ぶだなんて信じられません!」などと言ったら呆れられて口もきいてもらえなくなるかも・・。ここは何と言うべきか・・・・
大曽根:「当日雪が降るとたどり着かないかもしれないので陸路で行きます。夜行バスなら朝早く着くので多少遅れても午後の開始には間に合いますし。」
野崎先生 加藤先生:「・・・・・・・・・・・(こいつ本気で言っているのか?)」

飛行機は怖いから嫌としても何故夜行バスを選んだのか・・その時は自分でもわからなかった。でもなぜかそうしたい気持ちがいっぱいだった。
ちなみにこの選択肢は大曽根に大いなる後悔を強いることになる。

2 ようこそ、ちゃんぽんの国

なんだかんだいっているうちに前日になってしまった。テンションは既に上がり切っている。午後の小児眼科外来と未熟児回診を終了するといよいよ旅立ちの時間。会場の地図、抄録集、バスの予約券を確認し医局を鼻歌交じりに出発。旅の中で一番楽しい瞬間は旅立とうとする時というのも納得。先日より全国的に雪が降っておりバスを選んだ大義名分ここにありというところ。実は高速バスは医学生時代よくお世話になったのでノスタルジックな郷愁を感じてしまうのだ。名鉄のバスターミナルに着くと「欠航のお知らせ」との表示が・・げげげっ!。表示してある欠航路線をチェックし長崎行きは・・・無かった。ああよかった。
バスが時間通り到着し、無事にバスに乗り込んだ。雪が舞う高速道路を駆け抜けるバス。
幻想的な景色、選択は正しかった・・と思う。ちなみにその日の夜は前席と後席の鼾がひどく殆んど寝られなかった・・選択まったくだめじゃないか!

3 分子生物研究会、はじまる

眼の下に隈をつくりながら長崎駅前に降り立った。澄んだ空、名古屋のスモッグのような空とは空気が違う。まずは日帰り温泉施設を探し入浴しよう。昨夜入浴していないので「臭い!」と言われて学会場に入れてもらえないと困るし・・。営業している入浴施設を検索し入浴。長崎の町並みを見下ろして一風呂、嗚呼、なんて贅沢。

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風呂を出てテンションの上がるままに稲佐山に登頂。長崎市の一番高い山だそうな。
景色を堪能した後は会場に向かう・・・・。と言いたいところだが運動したら汗をかいてしまったので山の反対側の施設でもう一度日帰り入浴。よく学びよく洗え・・か。

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会場は「にっしょうかん」というホテルだ。山肌に立つでかい建物だ。
地震が来たらどうするのだろう・・という妄想を振り払い館内に入る。
受付を済ませ会場で待っていたところ野崎先生、加藤先生が入ってこられた。セントレアからの飛行機は無事離陸できたらしい。欠航にならずによかった(一人ぼっちにならずによかった!)。
14時。開始の時刻だ。長崎大学の先生が来られ開会。なんと、関東地方はドカ雪のせいで多くの飛行機が欠航。関東の大学の先生方が来られない事態になっているようだ。
この間も雪で大変なことになっていたのに、今年の冬は関東地方に冷たいようだ・・。

4 べんきょうしまっせ

はじめの演題は脈絡膜新生血管とヒスタミン受容体の話。私も脈絡膜新生血管をネズミに作成し研究をしているはしくれ、興味をそそる話題だ。聞くと硝子体手術で抜去した新生血管とマウスにレーザー照射にて作成した脈絡膜新生血管を使用した研究らしい。研究の中で一部のプロセスは同じでも着眼点、目標は沢山あるのだなぁと考えてしまう。その続きの2題は演者が雪で到達不可のため取り下げに。脈絡膜新生血管の話題であったため残念。似たようなカテゴリーの他の研究施設の先生がどのような研究をしているかということは非常に気になるところ。引き続くお題は糖尿病網膜症関連の発表が続く。普段網膜外来で糖尿病網膜症の患者さんを診る機会が多いからか、新しい話題があるならば大歓迎。黙々とノートをとり、場の雰囲気につられ気がつくと質疑応答の時間に質問をしている自分がいた。完全にのめりこんでいる。そして何故か気持ちいい。
昔、どこかの学習塾の「勉強ってとってもヘルシー」というテレビ宣伝があったが今は有無を言わず賛成したい気持ちだ。
特別講演では長崎大学病理学教室の下川先生による老化、寿命を制御する遺伝子の最近の話題についてのお話を聞かせていただいた。みんな熱心だ。そりゃみんな長生きしたいからね。長寿命を司る3つの遺伝子の話を夢中で聞いた。いつこれが実用化されるかは不明だが夢がある話はいいね。やはり人間常に夢を追わねば・・・と思ってしまう。

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1日目の発表がすべて終了したとき、一度に多くの情報を詰め込んだため体は疲れていたが、灰色の脳細胞はむしろ活性化していた。明日はどのようなことが聞けるのか楽しみだ。
その日泊まる部屋で他大学からの先生と合流。6人一部屋で意見、情報交換し易くしてあるのだろう。日々の研究や診療の話で盛り上がる。時々外部からの情報を摂取しないと新陳代謝できないな・・と考えてしまう。
夕食の時間となり宴会場に。テーブルは名古屋大学の先生方と一緒で「中部席」が結成された。地元ネタで盛り上がってしまうのはいたしかたあるまい・・でも楽しいな。
宴もたけなわ、各施設ごとに自己紹介をする。その場のノリで名古屋大学の先生方と一緒に自己紹介、楽しかったからまあいいか。
2次会があって地元の酒や名物が沢山振舞われた。
だが残念ながら自分はアルコールアレルギー(全身蕁麻疹が出て喘鳴が出たほどなので死にたくなければ飲まないべきだろう・・。)。大浴場で気が済むまで入浴だ。

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5 まだまだべんきょう

すがすがしい朝だ。破壊した目覚まし時計の墓場を死屍累々と築いてきた私にしては目覚めが良過ぎる。異国の空の下では体調もすこぶるよい。バイキングの朝食をたらふく詰め込み大浴場に向かう。何べん風呂に入っているのかと聞かれそうだがいいものはいい。我が人生の生きがいのひとつである。来年はこの研究会はうちの大学が世話係となるが、その為、名古屋からさほど遠からぬ某温泉地で開催される予定である。楽しみだ・・。
入浴し妄想にふけっているうちに9時近くなった。慌てて着替えて会場に。
2日目は細胞の死、再生、ES細胞・iPS細胞の話題である。細胞の話題は実はあまりよくわからなかった。研究室で細胞の研究は行われているのだが自分は関与しておらずあまりよく知らなかった。ここに来る前に院生の仲間に聞いてこればよかったと思った。研究班が違えどどのようなことを行っているか聞いたりすることは為になることだろう。
何事にも興味を持って取り組まねば・・。
2日目の発表が全部終了したあとももやもやしたものが残り、勉強せねば・・と痛感しながらの帰路となってしまった。

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帰路はバスですかって??いや、もうこりごりですよ(笑)。ちゃんと電車で帰りましたしちゃんと途中で温泉にも入りましたよ。

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佐賀の武雄温泉で佐賀鍋島藩藩主の使用した殿様の湯(貸切風呂)にて今回の研究会の事を回想しながら明日からも頑張ろうと誓った。めでたしめでたし。

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