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視覚科学ラボ研究室だより

視覚科学ラボ研究室だより

2024年度

2024年8月1日

医局長変わりました!

担当 医局長 平野 佳男

前任の小椋俊太郎先生がアメリカに研究留学することになり、2024年4月より後任として医局長を拝命しました平野です。愛知県眼科医会の皆様、よろしくお願い申し上げます。多くの方々から再任ですか?と聞かれますが、恥ずかしながら新任です。今まで留学、関連病院勤務などあり、機会に恵まれませんでしたが、今回このような機会をいただきましたので、職務を全うする所存でございます。

まずは私の自己紹介ですが、瀬戸内海の島で生まれました。広島県の因島です。以前は因島市でしたが、平成大合併の時に尾道市となっています。村上水軍ゆかりの地であり造船業で栄えましたが、最近はしまなみ海道が世界のサイクリストの聖地として知られています。中学生までは因島とその向かいの生名島に住んでいましたが、高校は広島市内の高校で下宿生活、大学で名古屋に来てそのまま居ついております。2000年の4月に小椋祐一郎教授(現名誉教授)が主宰する名古屋市立大学眼科学教室に入局し、2010年4月から2年3か月、米国ケンタッキー大学のアンバチ先生のラボに留学し、網膜色素上皮細胞の細胞死のメカニズム解明の研究を行っておりました。帰国後は名古屋市西部医療センター(現在は名古屋市立大学医学部附属西部医療センター)、名古屋市大で診療をおこなっております。

医局長の業務としては、学生の講義・カリキュラム調整、外部講師の手配、関連病院の先生との連携、代務医師派遣、医局員の勤務調整、大型機器類の購入や更新、人員要求など多岐にわたります。日々膨大な量のメール、会議、書類作成などに追われております。関連病院の院長先生より、ありがたいお言葉をいただきました。その先生も医局長の経験があります。その先生より、医局長業務は雑用の嵐です。心の健康のため週に1時間でよいので医局長業務を完全に忘れる時間を作るように。私はそこまでタイトに働いているわけではありませんが、心に留めておこうと考えています。医局員への連絡には今までemailか直接伝達としていましたが、安川先生が教授に就任してからSlackを導入しました。ご存じの先生も多いと思いますが、LINEのビジネス版でしょうか。多彩な機能があるため、非常に重宝しております。

名市大の近況としては、4月に7名のシニアレジデント(SR)が入局しました。安川先生が教授に着任後、入局者は3年連続7名(転科1名を含む)と高水準で安定しており喜ばし限りです。ただし、スタッフは関連病院へ異動などで減少の一途で、今現在当眼科学教室は4人欠員の状態で運用しております。そのため、外来診療、硝子体内注射のために、関連病院から応援に来ていただいております。そのような状況のため、関連病院やバイト先への医師の派遣のやり繰りは非常に大変です。さらに追い打ちをかけるように令和6年4月から始まった医師の働き方改革への対応が大変です。昨年度より何度も会議がおこなわれたのですが、会議では質問が殺到し多くの課題が浮き彫りとなり、対応した事務担当者は休職する事態となるなどありましたが、4月から軽微な問題はあるもののなんとか対応しております。各科で選択可能な労働時間制は、当眼科ではスタッフは裁量労働、それ以外(臨床研究医とSR)は変形労働制としました。当直は変形労働制の医師しかできないのですが、幸い今年度SRが7人いますので当直は全てSRに対応してもらっています。ただし、待機を上級医が担当することになります。緊急手術が必要になる症例はさらに2次待機者が出動するなどのサポートをしております。また連続勤務時間の上限28時間の条件があり、当直者は翌日午前の勤務は可能(午後は休暇)ですが、当眼科では当直の翌日は1日休暇とし、休日の当直の代休日も平日に取得することから、SRは平日の勤務が週3-4日となっています。これらを考慮して月の医局員の勤務表を作成するのが大変で、副医局長の木村先生にはいつも手助けしてもらっております。

手術は原則入院でおこなっております。病棟・中央診療棟の中央手術室の1列で毎日に変更となったことは本年の2月号でお知らせしました。また以前より外来手術室で月・水・金の午前中に硝子体内注射をおこなっておりましたが、こちらも毎日午前・午後で使えるようになりました。さらには白内障手術、低侵襲緑内障手術(カフークデュアルブレードよる線維柱帯切開術)などが外来手術室でおこなえるようになりました。今後はさらに多くの術式にも対応できるように検討中です。日帰り手術はまだおこなっておりませんが、今後の導入を予定しております。また令和7年度に『救急災害医療センター』が開棟予定です。高齢化進展に伴う市内の救急搬送の増加、南海トラフ地震など災害発生時の災害医療活動、救急科専門医不足に対する人材育成に対応するため、さらなる機能拡充を図ることを目的としています。

いつもご配慮いただいている眼科医会の先生方には心より感謝を申し上げます。今後もより一層のご指導、ご鞭撻の程をよろしくお願い申し上げます。

関連病院勤務医師リスト 

附属東部医療センター 野崎実穂、安藤諒太、冨田修平
附属西部医療センター 中沢陽子、藤井彩加、市原美穂子、高橋辰啓、畑澤香世子、柴田有紗(産休)
附属みどり市民病院 代務、稲垣美保(産休)
附属みらい光生病院 代務、平田怜子(産休)
あま市民病院 (加地郁子)
天野記念クリニック 代務
稲沢厚生病院 桑山創一郎、曽我奈里子
いなべ総合病院 (若生里奈)
大垣徳洲会病院 桑山聡志、安東迪子
蒲郡市民病院 木村俊哉、宇佐美雄太
岐阜清流病院 荒木みどり
国井病院 代務
小林記念病院 代務
菰野厚生病院 松田吉人、江﨑雄也、吉田暉平、河合由希子、北條俊広
城西病院 三井あや
新都市病院 松本貢一
総合上飯田第一病院 神谷由紀恵
泰玄会病院 西村祐加
大同病院 柴田 優、大林知広、中野花奈
多治見市民病院 小南あおい
知多厚生病院 吉田直子、小坂拓也
中部国際医療センター 藤井俊介、物江孝文
常滑市民病院 (滝 昌弘)
豊田厚生病院 山田麻里、 加藤房枝、 杉山寛明、 北條貴広、高野千夏(産休)
名古屋市児童福祉センター 代務
名古屋市総合リハビリテーションセンター 代務
名古屋徳洲会総合病院 石田琴弓、 石黒聖奈
博愛会病院 代務
みたき総合病院 小椋祐一郎
横瀬眼科医院 欄 崇子
ヨナハ丘の上病院 大林亜希子
岐阜大学医学部附属病院 武内 淳

(  )は非常勤

2024年6月13日

第128回日本眼科学会総会を終えて

担当 冨田 修平

2024418()~21()に東京国際フォーラムで開催された第128回日本眼科学会総会に参加させていただきましたのでご報告いたします。
私は418日の一般演題・抗VEGF薬のセッションで「滲出型加齢黄斑変性の抗VRGF治療の視力転帰に関連する眼底所見:J-CREST多施設共同研究」について発表をしました。
このような大きな学会で発表するのは初めてであること、また、会場には多数の先生方がいらっしゃったこともあり、非常に緊張してしまったことを今でも思い出します。
それでも無事に発表を終えることができたのは、発表やスライド作成について熱心に指導してくださった共同演者の先生方のおかげだと強く感じております。
質疑応答では幾つもの研究課題点について先生方よりご指摘していただきました。本研究で得られたデータを実臨床へ生かすための考え方について議論を交わすことができ、とても貴重な経験となりました。
自身の発表以外でも企業ブースで最新の検査機器や手術のシミュレーターに触れることができ、また、多くの先生方の発表やセミナーを拝聴させていただき、大変実りの多い学会であったと感じております。
今回の学会参加で得たものを今後の研究や臨床に生かしていきたいと考えております。
最後にはなりますが、このような貴重な機会を与えてくださった安川教授、発表のご指導をしてくださった加藤先生、医局の先生方、共同演者の先生方に心よりお礼申し上げます。

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