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視覚科学ラボ研究室だより

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学会参加記 一覧

2024年12月8日

第63回日本網膜硝子体学会総会を終えて

シニアレジデント 鐘森栄作

2024年12月6日から8日に大阪国際会議場で開催された第63回日本網膜硝子体学会総会に参加させていただきましたのでご報告します。

私は平野先生や榮枝先生、湯口先生をはじめとする共同演者の先生方に手厚くご指導いただき、「近視性網脈絡膜萎縮を有する症例における萎縮進行の左右差の検討」という演題で学会発表をいたしました。

発表に至るまでには、医局会などで多くの先生方に推敲していただいたのはもちろんのこと、平野先生には連日深夜まで、パワーポイント作りを手伝って頂いたり、学会中の食事会でも一緒に来てくださっていた先生方がみな親身にアドバイスをくれたりと、とてもありがたかったです。

初めての大きな学会での発表はとても緊張し、質疑応答の際には中々スラスラと返答するとは行きませんでしたが(安川先生曰く3.7秒硬直したので助け舟を出そうか悩んだそうです)、事前に御指導いただいた返答対策を活かして、無事?に発表を終えることができました。

今回は私にとって初めての大きな全国学会への参加で、新鮮と驚きが多々ありました。
会場ではいくつもの講演が開催されていたり、イベントスペースには様々な企業のブースが出展されていて、最新の機材に触れることができたりなど非常に興味を惹かれるものが多かったです。
自分は、学会に参加する前は、学会はなんだか専門性が高すぎて、眼科初心者には荷が重い会かもしれないという不安がありましたが、実際に行ってみると初学者でも内容がわかりやすく、為になる講演も多数あり学会のイメージが大きく変わりました。
また、学会のスケジュールや、抄録がMICE naviというアプリで簡単に見ることができることを教えて頂いたことで、発表前にお手軽に予習しながら講演を聞くことができたました。その為より効果的に講演を聞くことができました。

講演以外では、会場の外に出れば、開催地である大阪も満喫することができました。初日は医局の食事会を安川教授に主催していただき、とても美味しいジンギスカンのお店と、スイーツのバーに連れて行ってくださりました。
ジンギスカンは特に絶品で、大阪に来たらまた絶対行きたいと思えるほどでした。
2日目は自分は用事があり残念なことにいけませんでしたが、シニアレジデント一同ご飯に誘って頂き、大変嬉しかったです。行けた同期からはとても美味しくて楽しい会だったと聞いて、貴重な機会を逃したと羨ましく思いました。

今回の学会はとても楽しく、非常に勉強になりました。お忙しい中このような貴重な機会を与えてくださった先生方に、心よりお礼申し上げます。

2024年11月17日

第78回日本臨床眼科学会を終えて

シニアレジデント 山﨑 偉代

2024年11月14日から17日に国立京都国際会館、ザ・プリンス京都宝ヶ池で開催された第78回日本臨床眼科学会に参加させていただきましたのでご報告します。
私は木村雅代先生や野崎実穂先生をはじめとする共同演者の先生方に手厚くご指導いただき、「術前FP作動薬のアーメド緑内障バルブ挿入術への影響」についてポスター発表をいたしました。発表に至るまでには、医局会などで多くの先生方に推敲していただきました。初めての大きな学会での発表はとても緊張しましたが、光栄なことに質疑応答の機会もいただけて、なんとか終えることができました。
今回は私にとって初めての大きな学会への参加でした。会場では同時にいくつもの講演が開催されており、イベントスペースには様々な企業のブースが出典されていて、驚き新鮮なことばかりでした。慣れた方にとっては当たり前ですが、お恥ずかしいことに昼時のランチョンセミナーではお弁当をいただきながら聴講できることすら存じ上げず、周囲の先生方に驚かれてしまいました。
学会中は他の演者の先生の講演を拝聴した他、講義も積極的に参加いたしました。インストラクションコースでは初級から上級まで分かれており、私は初級中心に、様々な講義を受けました。オンデマンド配信や講義資料の配布もあるため、時間が被ってしまった講演も視聴可能であり、とても恩恵を受けることができました。講演以外では、3日目の朝に行われたアイバンクセッションにも参加し、ウェットラボ形式で他県の先生方と交流しながら改めて学ぶことができました。
会場の外に出れば、開催地である京都も満喫することができました。初日は医局の食事会を安川教授に主催していただき、絶品で贅沢なイタリアンとワインを楽ませていただきました。2日目はフランス料理店で女子会を楽しませていただき、とても良い思い出ができました。
率直に、とても楽しく勉強になりました。お忙しい中このような貴重な機会を与えてくださった先生方に、心よりお礼申し上げます。

 

                         

2024年9月22日

『2024スペイン紀行〜EURETINA Congress in Barcelona & Kitesurfing in Tarifa〜』

稲沢厚生病院 曽我 奈里子

私は現在、稲沢厚生病院に勤務しており、眼科4年目になります。この度、2024年9月19〜22日にバルセロナで開催されたEURETINA Congressに参加させていただきました。新型コロナウイルスの影響もあり、私にとって初めての海外学会となりました。「Impact of Central Subfoveal Thickness Fluctuations on Visual Acuity in Retinal Vein Occlusion」という演題をe-Posterで発表しました。黄斑浮腫を伴う網膜静脈閉塞症における中心窩網膜厚のfluctuationの視力予後への関与についての研究です。研究内容を日本語から英語に書き起こす作業はほとんど初めてでしたので苦戦しましが、とても勉強になりました。学会に参加してから、研究や留学への意欲が湧いており、大変意義のある学会でした(図1)。
ここからは私の趣味の活動について執筆のご依頼をいただきましたので、この場をお借りしてご報告いたします。2年前の冬に、私は医局の同僚に感化されてカイトサーフィンを始めました。帆を上げて風の力でボードに乗るマリンスポーツです。スペインには、タリファというイベリア半島最南端の町があります。大西洋と地中海を繋ぐジブラルタル海峡に面した町で、14キロ海を挟んだ向こう岸はアフリカ大陸です。タリファは強い風が吹くことが有名で、風を求めて世界中からカイトサーファーが集まります。私は、学会開催期間の前に、数日間タリファに滞在してカイトサーフィンをしてきました。
自分のカイト用具を飛行機に持ち込み、スペインのマラガ空港に向かいます。途中で乗り継ぎをし、計17時間のフライトの後、レンタカーで2時間くらい走るとタリファに着きます。到着した日から丁度、レバンテという強い東風が吹き始め、私がタリファを去るまでの間、奇跡的に毎日いい風に恵まれました。広くて美しいビーチがどこまでも続いていて、たくさんのカイトが上がっています(図2)。海にはレスキューボートが出ているので、カイト中にトラブルがあっても安心です。また、町には多くのカイトショップがあり、まさにカイトの町でした。9月のタリファは、日中は暑いですが湿度が低いので快適に過ごせます。日本よりも日が長いので、20時頃までカイトができる点も魅力的だと思います。素晴らしい環境の中で、日本ではなかなか恵まれない強い風に乗ることがきたので、遠くても行く価値のある場所だと思いました。カイトで大西洋の沖に出て広大な海を走っている時間は、刺激的で忘れられない経験になりました。
タリファでの一番の思い出は、強風の吹いた滞在2日目にRED BULL King of The Airという大会が開催され、プロのセッションを間近で見たことです。世界から集結したカイトサーファーたちが、エクストリームなジャンプとパフォーマンスを競い合う世界最大のカイトサーフィンの大会です。いつもスマホの動画の中で見ていた光景が目の前で繰り広げられ、衝撃を受けました。特に、優勝したイタリア出身のLorenzo Casatiの大技に目を奪われました(図3,4)。20mくらいの高さで飛んだ後、空中で回転したり、ボードを回したり、超高難度な技を次々に決めます。あまりの迫力に言葉を失い、圧倒されました。この記事を読んでくださっている皆様の中で、もしお時間がありましたら、彼のYouTubeチャンネルに大会の動画が上がっていますので、是非検索してみてください!そして、後日、幸運が重なり、彼が大会で使用したカイトを購入し、彼から直接受け取ることができました(図5)。カイトを収納するバッグにサインを入れてもらい、私の宝物になりました。
余談になりますが、日本(大阪市大:現 大阪公立大)からドイツ(リューベック大)に移住して研究をされている三浦央子先生と学会でお会いする機会がありました。三浦先生の研究室には、眼科医でプロのカイトサーファーの女性がいるそうです。国は違いますが、同じ職業で同じスポーツをしている女性にいつか会いに行きたいです。
最後になりましたが、学会参加の機会を与えてくださいました安川教授と、手厚く演題のご指導をしてくださいました平野先生に心より感謝を申し上げます。

図説 図1. 学会会場にて
図2. 多くのカイトが上がるValdevaqueros Beach
図3. 優勝したLorenzo Casatiのパフォーマンス
図4. RED BULL King of The Air表彰式
図5. 大会で使用したカイトを購入. Lorenzo Casati(右)と弟のLeonardo Casati(左)

2024年6月13日

第128回日本眼科学会総会を終えて

担当 冨田 修平

2024418()~21()に東京国際フォーラムで開催された第128回日本眼科学会総会に参加させていただきましたのでご報告いたします。
私は418日の一般演題・抗VEGF薬のセッションで「滲出型加齢黄斑変性の抗VRGF治療の視力転帰に関連する眼底所見:J-CREST多施設共同研究」について発表をしました。
このような大きな学会で発表するのは初めてであること、また、会場には多数の先生方がいらっしゃったこともあり、非常に緊張してしまったことを今でも思い出します。
それでも無事に発表を終えることができたのは、発表やスライド作成について熱心に指導してくださった共同演者の先生方のおかげだと強く感じております。
質疑応答では幾つもの研究課題点について先生方よりご指摘していただきました。本研究で得られたデータを実臨床へ生かすための考え方について議論を交わすことができ、とても貴重な経験となりました。
自身の発表以外でも企業ブースで最新の検査機器や手術のシミュレーターに触れることができ、また、多くの先生方の発表やセミナーを拝聴させていただき、大変実りの多い学会であったと感じております。
今回の学会参加で得たものを今後の研究や臨床に生かしていきたいと考えております。
最後にはなりますが、このような貴重な機会を与えてくださった安川教授、発表のご指導をしてくださった加藤先生、医局の先生方、共同演者の先生方に心よりお礼申し上げます。

2023年1月19日

第76回日本臨床眼科学会を終えて

担当 桑山 聡志 (臨床研究医)

2022年10月13日(木)から4日間にわたって行われた第76回日本臨床眼科学会(東京国際フォーラム・JPタワー)にて学会発表を致しましたので、ご報告させていただきます。未だコロナ禍のため現地開催、web開催(LIVE配信+オンデマンド配信)を組み合わせたハイブリッド開催でした。それにも関わらず、現地には日本の眼科界を代表する先生方をはじめ数多くの方が参加されていました。
私自身の発表は学会最終日である16日(日)のお昼でしたので、発表を目前に中々落ち着かない状態でシンポジウムや特別講演、インストラクションコースなどを受けつつ発表日を迎えました。発表内容は、“超広角眼底撮影装置の機種間での網膜前膜診断率の比較”というもので、当院の外来診療で使用している超広角走査型レーザー検眼鏡(Optos®California)と、2018年にZEISS社から発売された走査型超広角眼底撮影装置(CLARUS®)で撮影された画像を比較し、網膜前膜の診断においてどちらが優れているかを比較検討したものでした。結論としては、3色のLEDレーザー光を用いているCLARUS®が優れており、眼科の検査機器の発展は本当に目覚ましいものでありました。併設機器展示会場では、眼科に関連する多くの企業が検査機器を持ち込み宣伝しており、中には手軽に自己検査できる視野検査機器や、中間透光体混濁があっても視力の出る半導体レーザーを用いた眼鏡などの製品もありました。眼科学会と医療機器の発展により、「今の常識」が「未来の非常識」になるのはもはや時間の問題だと強く感じました。公演でも最先端の近視治療や宇宙と眼圧の関係など、普段自分では中々取り組みづらい領域も勉強ができ、非常に実りのある学会参加となりました。また本学会において、名古屋市立大学の眼科教授である安川力教授のシンポジウム「抗VEGF薬療法の限界・問題点と対策」がありましたが、私自身の公演と時間帯が被ってしまっていたので、教授の公演に参加することは出来ませんでした。しかし、幸運なことに今回の学会にはコロナ流行以前にはなかったオンデマンド配信があるので、学会から帰ったあとに公演を拝聴させて頂き、改めて安川教授のAMD・抗VEGF薬治療に関する造詣の深さに感動し、また通常診療にも直結する内容で非常に勉強になりました。学会をWeb開催するようになったのはコロナ禍以降ですが、このようなハイブリッド開催は現地開催とWeb開催の各々のメリットがあるため、コロナ禍が収束しても継続して欲しいと思います。
最後になりますが、このような貴重な発表の機会を与えてくださった安川教授をはじめ、忙しい業務の中発表のご指導賜りました平野先生、会場まで足を運んでくださった先生方、および医局の諸先生方にこの場をお借りして、心よりお礼申し上げます。

2018年4月3日

学位審査を終えて

担当 富安胤太(大学院生)

平野先生のご指導のもと、臨床研究と基礎研究の両方に4年間取り組んできました。
臨床研究では、網膜静脈閉塞症(RVO)の病態解明を行いました。その成果として、『Microaneurysms cause refractory macular edema in branch retinal vein occlusion.』が2016年にScientific Reportsに掲載されました。この論文は網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)による視力低下の危険因子について検索し、黄斑浮腫の再発・遷延の原因に毛細血管瘤形成が大きく関与していることを示し、早期VEGF阻害療法の必要性や、改善を認めない場合の毛細血管瘤への直接凝固を行うことで、不必要な治療を軽減できるのではないかと考えられるという内容の論文です。この論文で学位を取得させていただきました。また、『Characteristics of Polypoidal Choroidal Vasculopathy Evaluated by Optical Coherence Tomography Angiography』が野崎先生のご指導のもと2016年にInvestigative ophthalmology and visual scienceに掲載されました。この論文はポリープ状脈絡膜血管症(PCV)の血管病変評価を光干渉断層血管撮影光干渉(OCTA)を用いて評価し、PCVの病態解明に有用であることが示した内容です。また、2015年9月に韓国・ソウルで行われましたKyungee Retinal Imaging Symposium (KRIS)、2016年12月タイ・バンコクで行われましたAsia-Pacific Vitreo-retina Society(APVRS)や2016年5月にアメリカ・シアトルで行われました、The Association f or Research in Vision and Ophthalmology(ARVO)、他にも多くの国内・国外での学会発表を行う機会を与えていただき、その場を通じて、研究領域の最新の研究成果を知れたことは非常に貴重で、研究へのモチベーションにもつながりました。また発表だけではなく、平野先生、小椋教授をはじめ、ご指導していただきました先生方のご指導の賜物です。誠にありがとうございます。

基礎研究では、実験的脈絡膜新生血管モデル、光傷害モデル、網膜静脈閉塞症モデルなどをマウスで作成し、それらの分子メカニズムの解明と新規治療法の開発を目指しています。研究では失敗の連続ですが、プロセスに誤りがないか、想定に間違いがないかなどをグループで検証し、前進しています。実験研究助手の方々の力強いサポートをもとに、グループ一丸となって力を注いでいる現状です。

 

 

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